次世代の『稼ぐ店長』強室シリーズ | ||
月刊誌『セルフサービス』2003年1月号 第7話【計数管理上級(ロスを制する!)編】 |
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皆さ〜ん♪ 明けましておめでとうございま〜す!m(__)m …とは、言ってもこの原稿を書いているのはまだ11月。実は今日も、他県まで出掛けて『九州縦断セミナーツアー2002FINAL・13日目』で3時間半の爆裂トークショーをやってきました。皆さんの年末商戦はいかがでしたか?『煽った売場』は出来ましたか〜?
さぁ!まずは年明けの『売りの仕掛け』からお話しましょうか!1月3、4日あたりに初商という店舗も多いと思いますが、その頃店内のインストアプロモーション企画として何をやってますか?まさか、『新春のご馳走特集』じゃないでしょうね!(-_-;) しちゃダメとまでは言いませんが…もう皆、どこの家庭でも年末から年始にかけて、いい加減ご馳走には飽きが来ているじょ〜!(+_+)
◆ 商売のヒント
そこで!私からオススメのインストアプロモーション企画…『新春!皆揃ってお好み焼き大会』です。
これは過去3年間、実施してきましたが、非常にヒット率の高い企画といえます。考えてみれば、お正月にはどこの家庭でも食べていないメニューですからねぇ〜♪しかも、お正月で集まった人数が多ければ、多いほど楽しくて美味しいですもんネ! まず、一番目立つエンドにお好み焼き用品をフルライン品揃えします。そして、店内全部門(もちろん生鮮も含めて)のお好み焼き用品に『お好み焼きに最適!』というスポッター(アイキャッチャー)を取り付けておくのです。お好み焼きって結構、使用する材料が全部門に散らばっていて、客単価も上げやすいんですよ!(^o^)丿 また1月5日、または15日をイチゴの日と呼んでいます。1月前半は全館で『イチゴ祭り』を仕掛けるといいですよ!青果の一番平台を使ってイチゴの量販はもちろん!菓子パン・和菓子部門で『イチゴ祭り』。そして、菓子部門でもポッキーなどの『イチゴ祭り』を仕掛けたいものです。 さて!今月の計数管理のテーマは『ロス』についてです。ロスとは、在庫としてあるはずのものがない事。これは大きく『管理できるロス』と『管理できないロス』の2つに分けることが出来ます。 ★ 管理できないロス これは、万引きや伝票上のミス等による行き先不明ロスです。一般的に使われるロスとは、この不明ロスを指し、棚卸を実施してみないとどのくらいあるのか…が確定できません。 ◆ 商売のヒント 色んなスーパーさんを見ていると、タバコを他の商品と一緒に粗利益管理されているのをよく見かけます。これでは、タバコ単体でのロスを把握できません。是非!タバコだけは単体で粗利益管理されることをオススメします。何故なら、タバコには売価変更がありませんので、10%を割る粗利益率の場合、そのほとんどは万引きロスによるものと考えられます。また、商品の性格上、換金化しやすい為に、特に万引きされやすいので注意しましょう。 ★ 管理できるロス 見切りロス、廃棄ロス、(特売等による)値下げロス…などがあり、これは我々の判断の元に行われており、全て目の前を通っています。つまり、これを『売価変更高(略して売変高)』と呼び、上記の『管理できないロス』とは別に、日頃から絶対に管理しなければならない数値なのです。 ◆ 商売のヒント ところが、『原価棚卸』を実施している企業に限って、把握していないケースが多いようです。是非!売変高を把握してみて下さい。売上高対比、約6〜10%の売変高が発生しているはずです。もし、貴方の企業の経常利益率が1.5%だったとしたら、実に4倍以上も売価変更で捨てていることになります。つまり、無駄な売変を改善すれば、もっと利益は上げられるし、競争力アップの為の戦闘資金を産出できるのです。 棚卸したら、ロスが分かる! これは11月号の最後の問題、STEP6の1級問題と全く同じ条件です。ただ一つ違うのは、売価で棚卸を実施した…ということだけです。それではいつものように、まず!『売価の箱』にわかっている数字を当てはめていきましょう! これで、あるべき在庫高(売価)はもうおわかりですよネ!ところで、棚卸を実施することで、何が分かるのでしょう?確かに、実際に在庫を調べることにより、在庫高が確定します。更には…? ★ ロス高 本来なければならない商品が万引きや伝票のミスなどの原因で行き先不明になったもののことです。ロスをゼロと仮定した場合の帳簿上の在庫高で、計算式は… ★ ロス率 売上高に対するロス高の比率。あるべき在庫高に対する比率ではないことに注意! これで、STEP6・初段問題の問2までは解けたはずです。問3の期末在庫高(原価)は11月号でも紹介したように… しかも、在庫原価率については、STEP5の問題と条件は何ら変わっていませんので、STEP5で求めた在庫原価率がそのまま使えますよネ!(^o^)丿 さぁ!在庫高原価までわかれば、『原価の箱』です! 右側の箱に既にわかっている『期首在庫原価』『期中仕入原価』、そして今求めた『期末在庫原価』を当てはめると、『売上原価』がわかり、更に、『売上高』から『売上原価』を差し引けば…『粗利益高』が!(^.^)
売変とロスを明確に分ける! この問題を読んで、もう気付かれましたか?(笑)期首在庫、期中仕入、売上高、確定期末在庫…全てSTEP6・初段の問題と全く同じ条件です。違うのはただ…期中に売変が行われていたのをシッカリ管理していたということだけです。 ★ 売価変更高(売変高) 見切りや廃棄、更には特売による値下げ時に、決定した売価から仕入れ時に予定していた売価を差し引いた差額のことです。先述のとおり、これは意図的に行われた結果を示すものですから、キッチリ売変として管理しておかなければ、すべて(不明)ロスに混入されてしまいます。計算式は… ★ 売価変更率(売変率) 売上高に対する売価変更高の比率。 これで、STEP7・2段問題の問2までは解けますよネ!ここまで解いて初めて『売価の箱』を使えるようになりました。あとは、わかっている数字を当てはめて、『あるべき在庫高』を求め、更には問3の『ロス高』を求めていくのです。 この先は…『在庫原価率』を計算して、『期末在庫原価』を求める。そして『原価の箱』を使って『売上原価』『粗利益高』…というように、STEP6と全く同じ解決方法ですので、解説は省略しますね。
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