儲からんことを一生懸命やってませんか?!
月刊誌『セルフサービス』12月号  第5話ー【SM絞首刑台への13階段・第4章】


 皆さん、こんにちは〜♪ 今日は、店長・バイヤー向けの『年末商戦完全攻略セミナー』で5時間喋って参りました〜。今回のメインは新ネタ…スーパー終焉を告げる『食品SM除夜の鐘108の法則』です。よく笑って頂きました。昨日は鹿児島で、今日は福岡…2日連続の5時間爆裂トーク。さすがに終わってみると、ちょっときつい。もう若くはない証拠ですね。今もリゲイン飲んでこれを書いています。(^^ゞ

 あ!皆さまのところでは、この連載でも紹介していた『運動会前日』の売上はいかがでしたか?やはり、売れますねぇ。私の指導先においては…今年初めて仕掛けたところで前年比150%ぐらいのアップ。2度目、3度目のところでも115%ほどの売上を伸ばすことが出来ましたよ。(コレ、ホントですよ!)今年、何もされなかったところでも、来年こそは仕掛けて頂きものです。必ず、売れます!(^.^)

 

 では、今回も前号に引き続きSM絞首刑台への13階段】の第4章をご紹介していきたいと思います。

 

第8段 生活歳時に合致したテーマエンドがない?!

【よく見かける売場@】

 今年1年間だけでも約70店舗の売場クリニックをやりました。1店舗当り約100枚の写真を撮り、改善アドバイスをしていますから、この1年間で約7千枚の写真を撮ったことになります。(そんなこと、どうでもいいですね)その中で、よく色んなスーパーでも見かけるエンドとして、『カレー』と『パスタ』のエンドがあります。つまり、年から年中カレーやパスタを積んでいるんです。そんなに、年から年中売れるのでしょうか?比較的、売場面積の狭い食品SMにとって求められるのは変化です。変化なければお客様の目も止まりませんし、立ち止まってもくれません。お客様の生活歳時を考えると、同じ商品でずっとエンドを潰すそんな暇はないはずなんですけどねぇ…。(-_-;)


年から年中変化のないカレーエンド。変化がなければ、立寄率は低下する。強引に立寄らすために、『ここにカレーは何個あるでしょうか?』というクイズでも掲示しますか〜?

【商売のヒント@】

エンドには3つの種類があると私は考えます。その3つとは…@特売エンド A処分エンド Bテーマエンドです。@は、日替り特売商品を積むエンドで、平均値入で(各社バラツキはあると思いますが)0〜▲20%ぐらいでしょうか。Aは、シーズン商品の残や特売残の商品を積んで在庫消化するエンドで、平均値入は10%〜20%ぐらい。Bこそがここで言いたいエンド。9月号で紹介した『家庭訪問エンド』や『成績上がったら…コーナー』もこれに該当する。これは、お客様が欲しい時に欲しい商品を提供するエンドで、平均値入は20〜28%。ほとんど定番価格に近いですから、一番荒利貢献してくれるわけです。つまり、このBのテーマエンドを店内に何本用意できるかが荒利向上のポイントになるわけです。しかし、ここで大事なポイントは、@やAのエンドとは陳列方法に大きな違いがあると言うことです。それは陳列するアイテム数と量の違いです。テーマエンドの切り替えは、お客様の生活に密着しています。だから、早いのです…と言うことは、@やAのエンドのように単品大量陳列していたのでは、エンド切り替えの時に作業負荷がかかるし、残った在庫の処分に苦労することになるんです。よって、テーマエンドでは多品種少量陳列が基本で、エンド切り替え時に残があっても定番に戻せるぐらいの量でないと長続きはしません。

【商売のヒントA】

また、このエンドのヒット率を高めるためには、今お客様が欲している商品は何なのか?更には、今お客様はどんな生活をされているのか?を知る必要があります。この原稿が掲載されるのは12月初旬…という事は世の中、冬のボーナスシーズンですね。ラッキーなことにどこの企業でもほとんどボーナスは銀行振込。つまり、平日に支給されるわけです。『ボーナス出たら、おうちでご馳走!』このマーケットは平日に強い食品SMが攻めない手はありませんよね。そこで、恒例?福岡の主婦50人に聞きました!のデータです。

是非、上のグラフデータを基に全館で『ボーナス出たら、おうちでご馳走!』のタイトルボードやPOPを用意して大々的に取り組みたいものです。

【商売のヒントB】

また、12月といえば、受験勉強も本番となってくる。例年の調査によると、お母さん方の夜食で注意することは『消化に良いものを!』ということである。今年の福岡の主婦調査でも同じ傾向が見える。





この季節、
『受験生頑張れ!』のテーマエンドも欲しいものである。


メーカーから頂いた黄金の合格祈願の鳥居で囲まれたエンドには、上のグラフの商材のほかに、栄養ドリンクやカロリーメイトも陳列してみた。



【商売のヒントC】

今年2学期の終業式だけは、珍しく!12月24日のクリスマス・イブではなく、22日の土曜日になります。ラッキ〜〜〜!(^o^)丿 何故なら、今年はクリスマスとは別に、もうひとつ成績上がったら、我が家でご馳走!』の売りの仕掛けを作ることが出来るからです。売場展開するのは12月21日と22日の2日間限り。23日からはクリスマス・パーティーエンドへとタイトルボードを切り替えるだけで結構です。




  今年の福岡データでも22日のパーティーほとんどないとのことですから、今年は思い切って、12月21日と22日は『成績上がったら、我が家でご馳走!』を仕掛けてみては?!【注意】やるからには、徹底して!派手に!やって下さいネ(~o~)


子供を主人公としたご馳走メニューであるからして、ほとんど肉料理材料やソース・タレ類、スープ、寿司関連である。つまり、クリスマスメニューとほとんどメニューがかぶるので、23日からは上のタイトルボードを『Xmasパーティーメニュー特集』に替えるだけでよい。





第9段 カゴ・カートより飲料が玄関を占領?!

【よく見かける売場A】

これも良く見かける売場である。本来はショッピングカート置き場だったはずなのに、いつのまにか、1.5Lジュースの大量陳列になっているのである。(大量陳列したら、某所よりお小遣いが出たりするから、それに目が眩むらしい)しかもPOPには『2本で398円』とバンドル価格の表示。これは、カートの利用率の高い店だったら、私も別に気にしないし、何も言わない。ところが、カートの利用率の低い店でやっているから厄介である。だから、このような店を見つけたら、店長を呼んでセルフカゴを腕に通して持たす。そして、ジュース2本入れて店内を歩き廻った上でレジに来てもらう。すると、店長…『重いですねぇ。腕に2本(カゴの取っ手の)跡がつきましたよ〜。』(あと、1本増えると・・・















アディダスですねぇと言ったバカな店長もいたが…)




これだけで約4Kg。重いのである。しかも、かさばる。つまり、他の買い物はしたくなくなるのである。確かにジュースの売上は上がるかもしれないが、客単価が伸びるはずがない。

まだ、凄い店もある。4Kgでは済まされない。今度は10Kgである。日割特売に入った米をわざわざスリム台車に載せて玄関に持ってきているのである。しかも、カートの利用率の低い店である。玄関で10Kgの米を持たされると、もういよいよ何も持てないはずである。この米で儲かっていれば、まだ分かるが…日割特売だから赤字販売のケースが多い。これでは儲かるはずがないのである。(T_T)

【商売のヒントD】

カートの利用率に対して、ほとんどの店長さんが無関心ですね。セルフカゴを持たれたお客様の客単価は約1300円。カートを持つと、なんと!4000円を越えるんですよ!つまり、カートを持つお客様を増やせば、必ず客単価が上昇し、売上はアップするのです。…と言うのに、カートをないがしろにして、利益率の薄い、しかも重い商品を玄関に広げているんです。これって、おかしいと思いません?(-_-メ)

カートの使用率は、カートの置き方で大きく変わってきます。まず、一つ目には店内の売場面積を重視して、カートを店外においている店も結構見かけますが、これは店内に置いた方がはるかにカートの利用率は上昇します。特に暑い夏や寒い冬は、誰でも少しでも早く快適な店内に入りたい!と考えるのは当然ですよね。だから、店外に置いてあるカートには目もくれないと言うことになってしまうわけです。


本来、カート置き場だったのに…商品で埋め尽くされて、カートは店外に追いやられてしまっている。




  もう一つは、カートの挿し方である。カートはお客様の進行方向に対して、平行に並べるより、垂直に挿した方が利用率が上がります。ちょっとしたことですが、大きく変化が現れてきますので、是非、皆さん♪実験してみてくださいネ。(^o^)丿


カートの挿し方をお客様の進行方向に対して、平行だったのを垂直に挿すように変更した。すると、カート利用率がアップした上に、お客様が自ら返してくれることも多くなったという。(これは予想外だった)




  そろそろお時間となったようです。それでは皆さ〜ん♪ お身体に気をつけて年末商戦を頑張ってくださ〜い! では、今年はこの辺で(^.^)/~~~よいお年をお迎えくださいませ。





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