儲からんことを一生懸命やってませんか?!
月刊誌『セルフサービス』10月号  第3話ー【SM絞首刑台への13階段・第2章】


 皆さん、こんにちは〜♪ 見ましたよ!『セルフサービス8月号』。自分の書いた原稿が掲載されているのを目の当たりにして…感無量。。。(T_T) お蔭様で、私のホームページへもたくさんの方がアクセスされたようで、誠に有難いことです。そして、直接メールでは…『面白かった!笑えた!』『読みやすかった!』『是非、講演を聴いてみたい!』『次号が楽しみ!』と、たくさんの…いやいや、以上たった4通(-_-;)の感想メールを頂きました。有難うございました。(__)m これからも、お客様の法則性に基づいた『ヒット率の高い売りの仕掛け』をどんどん紹介していきたいと思います。

 

 では、今回も前号に引き続きSM絞首刑台への13階段】の第2章をご紹介していきたいと思います。

 

第4段 定番の品切れが多い。又、数えたこともない?!

 『又、ありきたりのことを!』を思われた方が多いでしょうね。でも、実際 いろんな企業の売場クリニックをしているとよ〜く目にする光景です。比較的プライスカード(PC)が付いていて『品切れ』を簡単に確認できる部門(一般食品、菓子、雑貨)だけでも、すぐ100個は見つかります。このような企業は数えたことがないところがほとんどですけどね。(~_~;)

 特売商品の『品切れ』は、近隣店舗に電話してでも血眼になって探すことはあっても、定番商品の『品切れ』についてはあんまり神経を尖らせていないというのも事実です。

 『品切れ』…それはほとんど、売れてなくなった商品。つまり、売れ筋商品。そこにあるだけで、値引くことなく売れる商品です。あ〜、もったいない話ですよね。(T_T)

ここで、先月号の復習…『我々の給料は荒利益から出ている!』でしたね。もっと、突き詰めると『我々の給料は定番商品から出ているんです!』

【商売のヒント@】

 皆さんの企業では、この品切れを撲滅させるために、どんな方法をとっていますか? よく言われますよね。『品切れの原因を探って、根本から改善する』って。でも、私の指導先では、最初からこの方法は取らせていませんよ。だって、最初からそれをやっちゃうと、品切れしている100個以上の商品名を書き出し、その原因をあたる?しかも毎週ってか?こりゃ、たまらんわ!朝から晩まで、それをやっとかないかんごとなる。そのために、他の仕事は出来ないし、また品切れが増えるでぇ〜。

 最初は、数を数えるだけでいい。しかも!売上ピーク曜日直前の納品後の時間に。つまり、一番商品が揃っている曜日の時間帯。品切れも一番少ないわけですから、数える時間も短くてすむ。しかし、これでも100個あるんです。コレを毎週、報告させてフィードバックする。すると、10個ぐらいに減ってきますよ。そうなったら、バーを上げる。ピーク曜日の翌日午前中に数える。すると、また100個ある。でも、これもやっている内に10個ぐらいになる。そうです!ここで、初めて原因を探ればいいですよ。

【よく見かける売場@】

 PCが付いていそうで付いていない売場…それはほとんどの企業でパン売場です。理由は? どこの企業で訊いても、担当者から同じ答えが返ってくる。『パンは2週間おきに新商品が出て、PCつける暇がないんですよォ〜』ってね。騙されてはいけません!新商品は全体の1〜2割程度。つまり、ほとんどは不変の定番商品なんです。

 では、PCの付いていないパン売場は何故いけないの?朝から営業していると、昼過ぎには品切れするアイテムが出てくる。PCが付いていないもんだから、品切れしているスペースに残っている他の商品を広げる。こうすると、いつも商品は揃っているように見えてしまう。しかし、お客様にしてみれば、欲しい商品はないのである。(-_-メ)

 品切れを隠してはいけません。PCを取り付けて、品切れしてもフェイスを変えない。品切れに罪悪感を持てば、発注量が増える。昼過ぎに品切れしている商品なら、発注量は2倍、すると売上はすぐ2倍になりますよ。(^o^)丿


故意に、品切れ風にして撮影…もし、品切れしても残り物でフェイスを広げない。品切れアイテムが明確になるので、発注を増やせる。そして、必ず売上は上がる。逆にいつも残るものの発注を抑える。

【商売のヒントA】

一度、現場のパートさんまで、PCを付ける目的とその見方を教えておいたらいいと思いますよ。目的には@売価を伝える A発注しやすくする B商品の境界線・・・と3つの目的がありますが、特に3つの『商品の境界線』だから、フェイスの左端に付けている!という事を伝えて欲しいですね。シッカリ伝えていないから、PCが移動する、いつまでも付かない、売れ筋商品がいつのまにか棚割から消えて、売れない商品のフェイスが広がっている訳です。

/Cと商品が合っていない。P/Cの方が枚数が多い。フェイスを広げているので、気付かずに発注していないのである。P/Cを貼る位置もわかっていないご様子。

PCの見方で一番大事なのは、『発注点』ですね。コレを知らないから、発注する人によって、品切れが生ずる。誰が発注してもうまく行くように設定しているのが発注点です。ところが良く見ると、この発注点が全商品『0』になっている企業も多いのも事実。品切れてから発注するんかよ!(-_-;)

ある企業の商品部新年度方針で、『発注点の設定』という施策が出てきました。つまり、今まで『0』だったのをちゃんと数字を入れようということです。ところが、この施策の終了が1年後なんですよ。(*_*) 何故、そんなに時間がかかるの?と尋ねると、『ゴンドラ別に、単品ごとに売れ数をあたって、リードタイムに応じた発注点を設定します!』だって。いくら『科学的商売』が大事と言っても、そんなもん、ハヨせないかん!『でも、そうは言っても売れ数が…』『キミはバイヤーなんだろ。キミだったら、何個になったところで発注するかを全部のP/Cに書いておけばいいじゃん!』そうすると、今日入った初心者マークの方でも、イッキにベテランバイヤーのレベルに達すると言うわけです。それでおかしいところがあれば、後で修正していけばいい、それだけのこと。

 

第5段 素麺に『チェリー缶』等の関連販売がない?!

【よく見かける売場A】

この夏場も、よく見かけた『素麺エンド』。それが又、上から下まで素麺とツユだらけというエンドが非常に多い。私はこれを『麺とツユの博物館』と呼んでいる。これでは1回の立寄りで1個の素麺、最大でも2個目のツユまでしか買って頂けないのである。もったいない話である。(>_<)

 

では、世のご家庭では、素麺のトッピングやツユの薬味としてどんなものを使っているのであろうか?ここで、また福岡主婦のマーケティングデータをご紹介しよう。


どうです?各家庭では様々なものをトッピングに、薬味に使われています。つまり、このデータに出てきた『関連商品』を素麺エンドの上2段の棚を使って陳列する。すると、買い忘れなく買って頂けるのです。もちろん、定番価格のままで結構ですよ。

 

ちょっと品切れぎみだが…もみのり、きざみ海苔、錦糸玉子、味付け椎茸、缶チェリー、缶みかん…などがキッチリ並んでいる。

【よく見かける売場B】

皆さんのお店の『玉子コーナー』では、何を関連販売していますか? よく特売に入る玉子こそ、何を関連させるか?大事なコーナーです。しかし大手でも!よ〜く見かけるのが、何故か『玉子スープ』。オイオイって、










玉子買いに来た人に玉子の入ったものを買わせるんかい?!


アレは、スープ売場や惣菜コーナーで売った方がもっと売れますよ。玉子を買いに来ているわけですから、玉子を使うものを置けばいい。例えば、『炒飯の素』『玉子とシメジ…』『玉子に便利…』『ちょっとどんぶり』…などを玉子の上に展開する。コレ、ムチャクチャ売れますよ!
(^.^)


玉子バッカンの上にゴンドラ棚を設置。チャ−ハンの素、どんぶりの素、玉子を使う半加工調味料をフルラインナップ。

【商売のヒントB】

レジの方にお聴きしたいんですが…『1日中レジにいて、タルタルソースやたこ焼きソースを何回見ますか?』。ほとんど、目にすることはないでしょう。たこ焼きソースに至ってはもう既に、定番カットになっているお店も多いはず。実際、定番コーナーでは売れませんもんね。しかし、それを使われる商品がそばにないからです。タルタルソースって、何に掛けるんですか? そう!白身魚フライ、エビフライ、カキフライ…ですよね。店内にそれをまとめたコーナーがあるじゃないですか?!冷凍食品コーナーです。そこで、関連販売するんですよ。冷凍食品も玉子と同じように、よく特売にかかる商品。少しでも荒利を稼ぎたいところです。特売すると、よく売れるのが『たこ焼きの大袋』や『5食うどん』。これには、たこ焼きソースやうどんスープが付いていないんです。関連させると、コレも必ず売れますよ。


集客力のある『冷凍食品コーナー』。こここそ、適切な関連販売商品を置けば、必ず売れる。


 夏場のアイスコーヒー。ここでも、『コーヒーフレッシュ』を関連販売させると売れるのに、実施していない店が多いですよねぇ。何故だか分かります? 部門や担当者が違うから…
(-_-;)売り手の論理です。お客様は、アイスコーヒーは買うが『フレッシュ』を買い忘れる。家に着いてから、アーッ!と思い出す。すると、どうだろう・・・近くのコンビニに買いに走る。ま、いいか…家にある牛乳で済まそう!という訳である。ある店長セミナーでこのような質問を受けた…『先生、フレッシュ2フェイス置くより、1つはシロップを置いた方がいいんじゃないでしょうか?!』私の答…やれば、分かる! シロップはさほど売れない。何故なら…










シロップをカネ出して買うぐらいなら、無糖ではなく加糖を買うわ!


アイスコーヒーにフレッシュの関連販売。なかなか実施されないのは、両者の部門が違うためらしい。あ〜、なんと器の小さい方々なんでしょう。

【よく受ける質問】

『サラダ油などの(日替り)特売商品のすぐそばに天ぷら粉とか、パン粉などの関連販売はするべきですよね?』コレは色んな本を読まれて、よく勉強されている方ですね。私の答…










いらんこったい! 


 毎日、特売商品を出すだけでも大変なのに、それに付随して、関連販売も積み替える? ハッキリ言って不可能です。やったとしても長続きしません。それより、特売エンド(場所)を決めてその下段で今日の日替り特売商品を積む。その特売エンドの上段は、特売残やシーズン残の見切りコーナーにセットして置くんです。これなら、集客力のある特売商品なんですから、残商品の処理もスムーズに進みますよ。そう!
特売商品の関連販売商品は特売残やシーズン残の見切り品なんです。

 

そろそろお時間となったようです。今月は内容的にちょっと硬かったですかね…反省。(-_-;) では、今月はこの辺で(^.^)/~~~



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