ショッピングカートの法則
これは、昔いたスーパーで、『店内購買行動調査』を
実施した際に見つかった法則性である。
これは、『商売のネタ』として、使えますよ!

 スーパーの店内では、大きく『セルフカゴ』を持ったお客様と、『ショッピング(S)カート』を使うお客様の2通りに分かれる。これをインストアマーチャンダイジングの要素・・・『動線長』『立寄り率』『買上率』『買上個数』『一品単価』をそれぞれ比較してみると、いずれをとってみても、『Sカート』を使用されたお客様のほうが上回っている。つまり、どんなお客様でも『Sカート』を使用すると、自然と『店内を歩き回り、どんどん立寄り、そして立寄ったら買う確率も高く、その上1回買上当たりの買上個数も多くなる』のである。
 この法則を私は
『ショッピングカートの法則』と呼んでいるが、これをちゃんとした数字で表すと、『セルフカゴ』使用の客単価は、約1700円。一方、『Sカート』使用の客単価は約4800円なのである。
 私のあるクライアントのSカートの使用率は7%である。これを上の数値に当てはめると、(4800円×7%)+(1700円×93%)=1917円となり、客単価の約1900円とほぼ一致する。
 
 

  
 『ショッピングカート』の使用率を上げると、売上は必ず上がる。
 上の法則にあった通り、どんなお客様でもSカートを使用すると・・・自然と『店内を歩き回り、どんどん立寄り、そして立寄ったら買う確率も高く、その上1回買上当たりの買上個数も多くなる』のである。ならば、店内においては、もっと『Sカート』の使用率が上がるような工夫が必要となるわけである。
 @ 通路に『はみ出し・突き出し陳列』があまりなく、Sカートで楽々通れるようにする。
 A Sカートは、店内入ってすぐ、目立つところに置く。
 B Sカートの台数は十分ですか? 車輪が壊れているのがありませんか?

 もし、上記のクライアントでのSカート使用率が15%に引き上げることが出来れば、客単価は2165円となり、売上も113%アップすることになるわけである。Sカートの威力はすごいものである。しかし実際は、このSカートを大事にせず、日ざらし雨ざらし状態にしているスーパー、Sカート置き場に飲料の山積みするスーパーなども多いのである。